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Healthcare

東洋育成園

2016Complete

CAn宇野享

東日本大震災によって、福島県双葉郡富岡町から同県田村市に応急仮設として指定障害者支援施設を移転新築し、男性33人、女性21人の計54人が共同生活をおくる大きな家である。約10人を1ユニットとしたユニット形式の平面計画で、プライバシーの高い空間からパブリックな空間へと、個々の生活リズムに応じて居場所を選択ができる。個室・コモンリビング・パブリックリビングと段階的な居場所が、みんなの家として一体感を感じるとともに、個人としても落ち着く居場所をつくっている。
地産材を生かした大規模木造平屋建ての建築。個室などに囲まれて奥まったリビング的な空間に自然の光や風が抜ける高窓を設け、明るく快適な室内空間を実現している。また木造トラスで無柱の大空間とした作業訓練室は、歩行訓練も兼ねた回廊を周囲に回して、建物の中心に配置し、引戸を開け放つことで隣接する食堂とも一体的につながり、みんなが寄り合う場所としての空間をシンボル化している。
ユニット内の入居者の室は、性格の異なるふたつの領域で構成している。壁に囲まれて落ち着ける空間と、共有部に開かれて交流が図りやすい空間を併せ持つことで、2床室・個室に関わらず扉を開け放たれた状態でもある程度のプライバシー性が担保できるような配慮がなされている。また様々な性格の庭と居室が掃き出し窓でつながり、内外の活動がお互いに連鎖していくような生活環境とし、四季を感じながら穏やかな生活が営まれる環境を実現している。

DATA

所在地 福島県田村市
用途 指定障がい者支援施設
構造 木造
規模 地上1階
敷地面積
建築面積
延床面積
8,872.77㎡
2,388.85㎡
2,288.04㎡
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